枝log -白露-


二十四節気の「白露」を迎えました。 

秋の虫の音や、空の雲の様子など、秋の訪れを感じることができる時期。
先日は、夕方畑で作業をしていると、蝉とマツムシの鳴き声が混じって聞こえてきました。連日の雨模様ですが、雨が落ち着いた頃には、秋をよりはっきりと感じることができるかもしれません。
さて、畑の木々の様子も、今まで緑色をしていた実がほんのりと色づきはじめています。今回お届けする枝ものは、秋の七草の一つ、萩を中心にお届けします。萩は古くからこの季節に日本で愛されてきた枝ものです。小さな枝が枝先に咲く、一瞬の儚い美しさをお楽しみいただけたら嬉しいです。
また、萩の花が終わったあとは、これから花材として旬を迎えるユーカリなどもお楽しみください。新芽もしっかりと硬く成熟し、切り枝としては扱いやすくなるこの時期から、本格的な流通がはじまります。8月にお届けしたものとはまた違う品種となりますので、ぜひ生けてお楽しみください。生け終えた後は、ドライにしても長くお楽しみいただけます。

白露の枝もの

花もの

萩
萩

秋の七草の一つ、萩。七草といえば春の七草粥が有名ですが、秋の七草は食べるのではなく、花を見て愛でて楽しむものなのだそうです。萩はマメ科の落葉低木で、枝がしなやかに枝垂れるのが特徴です。平安時代には和歌に詠まれ、昔から長く親しまれてきました。
花は少し触れただけでも落ちてしまうほど繊細です。最初に生けたあとは、あまり頻繁に水換えをせず、そっとお楽しみください。畑で風に揺れ、雨の雫の重さでしなる萩を思い浮かべながら、秋のひと時を楽しんでいただけたらと思います。

水揚げ方法:湯揚げ
水下がりが気になる時は、新聞紙に包んで蒸れを防ぎながら60度前後のお湯に30秒ほどつけ、そのあとはたっぷりの水に1日つけてみてください。

実もの

栗
栗

枝ものを飾りながら秋の実りを感じていただけたらと思い、今回も7月のお届けに続いて栗を選びました。このあと10月にかけて少しずつイガの色が茶色く変わっていきます。7月にお届けした小さな実が、夏を経てここまで大きくなりました。この後も10月に徐々に色が茶色く変わっていきます。
少し余談ですが、生け花の世界では、綺麗に咲いた花や瑞々しい葉だけでなく、枯れ枝や虫食いの跡がある葉も、自然のものとして大切に扱うのだそうです。視点を変えてみると、虫に食べられたり、暑い夏を乗り越えた枝ものたちも、自然の移ろいを感じて生き生きとした姿に見えてくるのではないかなと思います。
※剪定したてのイガはやわらかいのですが、乾燥するとだんだんと固くなっていきます。触れる時は指を刺さないよう念の為ご注意ください。

水揚げ方法:水切り
水に浸かる部分の葉を丁寧に取り除き、茎を水中で斜めにカットします。
茎の断面にハサミやナイフで十字に切れ込みを入れると、より水の吸い上げが良くなります。
深めの水に数時間浸けるとしっかりと水を吸わせることができ、実や枝の鮮度を長く保つことができます。

葉もの

アカシア・フロリバンダ
アカシア・フロリバンダ

アカシア・フロリバンダはミモザ(ギンヨウアカシア)の仲間です。ミモザはポンポンとした黄色の花が特徴ですが、フロリバンダは細長く円筒の形状の花が咲きます。葉もミモザに比べるとさらりと細長く、繊細な枝ぶりが特徴です。冬から春の間に咲く花芽は、実は夏のうちから少しずつ育っています。枝をよく観察してみると、小さな花芽がついている様子を見ることができます。細やかな葉は、いろんな枝ものとも相性が良く、合わせるもによって印象も変わります。どんな枝ものとも比較的合わせやすいので、実ものや草ものなど、いろいろな組み合わせをぜひお楽しみいただければと思います。

水揚げ方法:水切り
ユーカリ2種
ユーカリ・ポポラス
ユーカリ・ベビーブルーブーケ

今回はユーカリの中から2種類をお届けいたします。
一つ目は、ユーカリの中でも定番のポポラス。ハート型の丸葉がかわいらしくて、とても人気があります。枝が細く、何本か一緒に束ねて生けると、広がりが出て空間が華やぎます。
もう一つは、銀色を帯びたシルバーリーフが特徴のベビーブルーブーケ。こちらもドライフラワーやリースなどの花材としても重宝される、とてもポピュラーな品種です。ベビーブルーブーケの枝には、丸い実のようなものが見られます。これは花芽で、秋の中旬頃から咲き始めます。ユーカリの中でも香りが強く、葉をこするととてもいい香りがします。
ユーカリは常緑高木樹なので、一年間楽しむことができますが、その中でも今の時期はユーカリの芽が硬く成熟し、寒さに傷む心配がないので、とても綺麗な状態で楽しむことができます。

水揚げ方法:水切り

草花

イタリアンルスカス
イタリアンルスカス

edanowaの畑で初期に植えたイタリアンルスカス。ずっと成長を見守り続けてきた、個人的にも思い入れがある枝ものです。葉に見えるのは葉状茎(ようじょうけい)と言って茎の部分。本当の葉は非常に小さく退化しています。草ものの中でも非常に日持ちがしやすくお花屋さんでもよく見る枝ものです。フラワーアレンジでは華やかなお花を引き立てる存在のイタリアンルスカスですが、一輪でさらっと生けるのも爽やかな雰囲気で、ぜひおすすめです。

水揚げ方法:水切り
パンパスグラス
パンパスグラス

秋といえばお月見。お月見と言えばススキが欠かせませんよね。このパンパスグラスもススキの仲間で、和名はシロガネヨシと言います。乾燥を好むので、自然岩と植物を主役にしたロックガーデンや、近年は公園の植栽などでもよく見かけるようになりました。お花屋さんではドライになったものがよく売られていますが、今回は、乾燥前の収穫したてのものをお届けします。ふわふわとしたやわらかなボリューム感を感じてみてください。

水揚げ方法:特になし
ドライにする場合は、水に差さずにそのままフラワーベースに入れてお楽しみください
韮
韮

野菜としては一年中流通している韮(ニラ)ですが、花は今がちょうど見頃を迎えます。春先に咲く同じハナニラという観賞用の花もありますが、全く別の品種です。花が咲いた状態の韮は、花ニラとも呼ばれ、食べられることもあるようです。今回は観賞用としてお楽しみいただけたらと思います。
韮のすっと伸びる美しさを生かして先の窄まったフラワーベースに入れ、まっすぐに生けてみました。

水揚げ方法:水切り

組み合わせ例

一枝で飾るのはもちろん、一緒に組み合わせることで季節感あふれるアレンジがお楽しみいただけます。