枝log -大暑-


7月20日に関東も梅雨明けを迎え、いよいよ本格的な夏が始まります。これから、とても厳しい暑さの日々が続くようです。どうぞお身体をご自愛ください。

一年の中で最も暑さが厳しいとされる二十四節気の「大暑」。

木々の様子はというと、緑が濃く深くなっています。中高木の足元では低木だけでなく笹や草が茂り、そこへ蔓が絡みつき、それぞれが懸命に光を受けながらしてエネルギーを蓄え、実や種を育てています。

今回お届けする枝ものは、和の趣を感じるものが多いのですが、今の暮らしの雰囲気にも取り入れやすいものを揃えました。お気に入りの場所に飾って、夏の景色をお楽しみいただけたら幸いです。

大暑の枝もの

花もの
タマアジサイ
タマアジサイ

その名の通り、蕾が玉のような形をしたタマアジサイ。葉っぱが変形して玉のように蕾を包み、大切に守っています。開花時期は一般的な紫陽花より遅く、これから見頃を迎える花です。水が下がりやすいため、今回は葉をほとんど落とした状態でお届けします。上手く水揚げができるとこれからゆっくりと開花をはじめます。そのように花を咲かせてくれる期待を込めてお届けします。

水揚げ方法:水切り
水の中で茎の端を数センチ斜めにカットしてください。水が通る管に空気が入ることを防ぐことで水あがりがよくなります。タマアジサイは、他のアジサイのような綿状のものがないため、水切りをしたらそのままいけてみてください。
ヤマアジサイ・伊予獅子手毬
ヤマアジサイ・伊予獅子手毬

伊予の国(愛媛県)で作出されたのでこの名前がついたそうです。通常のアジサイに比べ、ミニチュアサイズが可愛らしく人気の高いヤマアジサイですが、その中でも、伊予獅子手毬はパステルカラーが特徴で、秋色紫陽花として長い間楽しめる品種です。今回畑からお届けするのは、白っぽい色から自然と水分が抜けて、淡いグリーン色に変わったもの。アンティークのような趣きがあり、ドライとしてしばらく楽しむことができます。

水揚げ方法:ドライ・イン・ウォーター法
茎を水の中で斜めに切り、中の白い綿をとると長持ちします。花瓶に少量の水(1〜5cm程度)を入れ、そのまま水を足さずに蒸発させながら乾燥させる方法でドライの状態もお楽しみください。

実もの
ナツハゼ
ナツハゼ

日本の野山でも自生しているナツハゼ。季節ごとにさまざまな表情を見せてくれる人気の枝ものです。私自身も大好きな木の一つで、葉のつき方や、赤く色づく小さな実の可愛らしさに毎年惹かれています。木に成った実は食べることもできます。酸っぱくて少し渋さもあり、野山を感じる味です。いけたあとは、しばらくするとポロポロと実が落ちてきますので、やさしくお掃除をしてあげてください。

水揚げ方法:水切り

草・葉もの
ヤマモミジ

今の時期ならではの、種付きのヤマモミジです。ヤマモミジの種は「翼果(よくか)」と呼ばれ、小さな翼が付いているのが特徴です。風が吹くと、竹とんぼのような薄い羽がプロペラのようにくるくると回りながら舞い、遠くまで運ばれてそこで実生として成長します。自然の中で生きるための、小さな知恵が詰まった種です。よく見ると、一つひとつ種の形や角度にも少しずつ個性があります。

水揚げ方法:水切り

アセビ

アセビは枝ぶりが美しく、また日持ちがするので人気の枝ものです。深く濃い緑色の葉は、まさにこの時期の木々の様子を実感させてくれます。シンプルに飾るだけでも、お部屋に落ち着いた雰囲気を添えてくれる枝ものです。枝先についているのは、来年咲かせる花の芽です。今年咲いた花がらと入れ替わるようにこの時期に形成され、来年の春に鈴なりの花を咲かせる準備が始まっています。暑い夏の盛りに枝先ではすでに春の準備が始まっている、そんな植物の時間の流れもお楽しみいただけるかと思います。

水揚げ方法:水切り

ガマの穂

枝ではなく草ものに分類されるガマの穂ですが、今回は夏を代表する花材の一つとしてお届けします。ガマは、まっすぐなラインを生かして飾ると、その存在感がより引き立ちます。一輪飾るとお部屋のアクセントになり、いつもとは少し違った雰囲気を楽しんでいただけると思います。少し好みが分かれる花材ではありますが、夏の水辺を思わせる季節の風景として、この機会に楽しんでいただけたらうれしいです。

水揚げ方法:水切り・綿取り
水切れしやすく水揚げが難しい分類の花材です。水の中で斜めにカットした後、芯の綿を取り除いてください。