枝log-寒露-

次第に夜が長くなり、草木に降りる露も冷たさを増す頃とされています。朝晩はひんやりと感じられる日が増え、日中には秋晴れの心地よさを楽しめる時期です。
9月からの台風や長雨の時期も過ぎ、穏やかな秋の日々が続くことを願いたくなりますね。

さて、今回お届けする枝もののテーマは「夏から秋へ、季節の彩り」です。
春と秋は、草木が一年の中でもひときわ豊かな表情を見せてくれる季節。今回は、紅葉が本格的に色づく少し前の、葉や実が織りなす秋ならではの彩りに注目して選びました。

日々の暮らしの中で、季節の深まりを感じていただけましたら幸いです。

寒露の枝もの

葉もの

ドウダンツツジ

枝ものとして人気のあるドウダンツツジ。今回は赤く色づいたものをお届けします。
葉をよく観察してみると、一枚の中にも色の濃淡があり、少しずつ褪色していく様子は趣きを感じます。夏にはみずみずしかった緑色の葉が、少しずつ色を変え、赤色へと移り変わっていく様子がわかります。
また、枝先には上向きにツンと伸びた、蕾が見られます。これは「冬芽」と呼ばれるもので、春に芽吹く花や新しい葉のもとが入っています。葉が赤く色づく一方で、枝の先には次の季節に向けた準備が始まってます。

水揚げ方法:水切り
水に浸かる部分の葉を丁寧に取り除き、茎を水中で斜めにカットします。
葉が落ちやすいので、枝の様子を見ながら水替えしてみてください。

実もの

栗

初夏の頃は小さく、柔らかだった栗のいがですが、約3カ月が経ち、実は熟して少しずつ茶色く色づき、やがて地面へと落ち始めました。
1期からご利用いただいております皆さまには、7月、9月に続き、今回で3回目のお届けとなります。初夏には小さな実をつけていた実が季節とともに大きく育ち、熟していく様子を、今回の枝ものを通して感じていただけましたらうれしいです。
※水換えの際など、触れる際は指などに刺さないようご注意ください。

水揚げ方法:水切り
ツルウメモドキ

古くからお正月飾りや生花の花材として日本で親しまれてきた、秋の代表的な枝もの、ツルウメモドキ。緑の殻がはじけると、中から鮮やかなオレンジの実が顔をのぞかせます。今回はあまり流通していない殻がはじける前のものをお届けします。
蔓性で、枝がしなやかに曲がるため、輪にしてリースに仕立てたり、吊るして飾ったりとさまざまな楽しみ方ができます。市場や花屋でも人気のある枝もののひとつです。
※ツルウメモドキの実は毒性があり、食べると下痢や腹痛を引き起こす恐れがあります。ご自宅に小さなお子さまやペットがいる環境の場合は、誤って口にしてしまわないよう、手の届かない場所に飾るなど、お取り扱いにご配慮ください。

水揚げ方法:水切り
ウメモドキ

先ほどご紹介したツルウメモドキと名前が似ていますが、ツルウメモドキは蔓性の植物となるのに対し、ウメモドキは赤い実をつける落葉低木です。葉の形状が梅に似ていることから、ウメモドキと名前がつけられました。
鮮やかな赤い実が連なる姿は、秋らしい彩りを添えてくれます。ひと枝で飾っても可愛らしいですが、他の枝ものと合わせるのも華やかな雰囲気になるのでおすすめです。

水揚げ方法:水切り

アラカシ

秋といえば、どんぐり。こちらはどんぐりの中でも小粒の実が特徴のアラカシという品種です。
今回は、まだ実が青く、色づく前の実を付けた枝をお届けします。どんぐりの縞帽子がちょこんとついている姿がなんとも可愛らしく、眺めているだけでも癒されます。お散歩の途中でどんぐりを見つけると、つい拾ってしまうことがありますが、帽子のついたどんぐりを見つけると、なんだか少しうれしくなるもの。そんな小さな秋の楽しみを、お部屋でも感じていただけたらうれしいです。
今回お届けする中では、唯一の常緑樹。葉も美しく、水揚げも良いため、比較的長く楽しんでいただける枝ものです。

水揚げ方法:水切り
シロシキブ

枝ものの中でも人気の高いムラサキシキブと同じ仲間で、真珠のように真っ白の球状の実をつけるシロシキブ。1期の中では、実が成熟して白く色づいたものをお届けしましたが、今回は、環境が異なることでまだ白く色づく前の緑の実をお届けします。
紅葉したドウダンツツジや赤や黄色の秋の実ものに緑のシロシキブを合わせることで、また違った秋の表情を楽しんでいただけるのではないでしょうか。
それぞれの枝の色や実の表情を眺めながら、枝の組み合わせをお楽しみいただけたらと思います。

水揚げ方法:水切り
利休梅

茶花として愛されている利休梅。その名前は、戦国時代の茶人・千利休にちなんで名付けられたこととされています。
春には白い花を咲かせる利休梅ですが、秋には少し変わった形の実をつけます。ころんとした実にはよく見ると星のようにも見えてどこか愛嬌のある姿をしています。個性的な実の形がかわいらしく、edanowaのお店でも人気の枝ものです。
畑ではすっかり葉を落とし、今は実も熟してところどころ割れています。中から種がこぼれ落ち、静かに土に帰って、また次の季節につながっていくーそんな植物の営みを感じさせてくれます。
秋の利休梅、実の形や種がこぼれた後の姿まで、ひと枝にある季節の移ろいを、ゆっくりと感じていただけたら幸いです。

水揚げ方法:水切り

組み合わせ例

一枝で飾るのはもちろん、一緒に組み合わせることで季節感あふれるアレンジがお楽しみいただけます。

一輪挿しコース一例
卓上コース